VPN利用の実態調査を実施、約9割がセキュリティに不安
~ ランサムウェア問題を背景に、安全性や管理面での課題感も浮き彫りに ~
e-Janネットワークス株式会社
e-Janネットワークス株式会社(本社所在地:東京都千代田区、代表取締役:坂本 史郎)は、企業におけるリモート接続環境の課題を明らかにするため、IT管理者・情報システム担当者・DX推進部門の担当者1,011名を対象に「VPN利用実態とセキュリティ対策」に関する調査を実施しました。調査の結果、現行のVPNでは安全性と管理の両立に大きな課題が残されていることが明らかになりました。
■調査の背景
近年、ランサムウェアによるサイバー攻撃の被害件数が増加しており、企業、公共機関にとって最も深刻な脅威の一つとなっています。ランサムウェアに感染した企業や公共機関では、システムが停止し業務継続が困難となり、社会全体に深刻な影響を及ぼしています。企業、公共機関では、ランサムウェアへの対策が急務となっています。
ランサムウェアの感染経路の一つに「VPN等のネットワーク機器の脆弱性を起点とする攻撃」が挙げられます。ランサムウェア被害にあった企業・団体へのアンケート回答によると、近年その全体比は半数を超えており※1、情報システム管理者のVPNへの不安を高めています。
当社は20年以上にわたりリモートアクセスサービスを提供してきた知見を活かし、VPN利用における現状と課題を把握するため、本調査を実施しました。
■調査結果サマリー
- 1. 導入しているVPNは「クラウドVPN(52.5%)」が最多で、「従来型VPN(46.9%)」を上回る
- 2. 「VPN利用中にセキュリティ面で不安を感じた経験がある」回答は約9割
- 3. 導入時に重視されるのは「セキュリティの高さ(34.4%)」「管理のしやすさ(27.2%)」「導入・設定の簡単さ(25.2%)」
- 4. 約9割が「従来よりセキュリティリスクを低減し、管理が容易なVPNがあれば導入を検討したい」と回答
■調査の結果
現在、導入しているVPNまたはリモート接続手段導入済みのリモート接続手段について尋ねたところ、「クラウドVPN(52.5%)」が最多となり、「従来型VPN(46.9%)」「ゼロトラストネットワークアクセス(30.1%)」と続きました。クラウド型の採用が広がる一方で、新たな接続方式であるゼロトラストも3割に達しており、接続手段の選択肢が多様化していることがわかりました。(図表1)
現在利用しているVPNにおいて感じている課題現在利用しているVPNにおける課題では、「セキュリティの担保に不安がある(37.9%)」が最も多く、次いで「利用端末の制御や管理が煩雑(31.5%)」「運用管理が属人化している(27.8%)」といった声が挙がりました。セキュリティ面への懸念と管理工数の増大が、現場で大きな負担となっていることがうかがえます。(図表1)
「VPN利用中にセキュリティ面で不安を感じた経験があるか」という問いに対して、『よくある(42.5%)』『ときどきある(43.7%)』と、約9割が不安を感じた経験があると回答しました。セキュリティリスクへの懸念は依然根強いことが示されました。(図表2)
クラウドVPNの認知度については、「内容まで理解している」が69.0%に達し、「名前は聞いたことがある程度」が27.0%、「初めて聞いた/わからない」は4.0%という結果となりました。比較的新しい方式でありながら、すでに7割近くが仕組みを理解していることから、市場における浸透の速さが示されています。(図表3)
VPN導入・切替における障壁となる要素VPNの導入や切替における障壁については、「セキュリティ要件を満たすか不安(40.2%)」が最多であり、「他システムとの互換性や連携の懸念(32.0%)」「社内の合意形成や稟議の難しさ(28.0%)」と続きました。導入には技術的な要因だけでなく、組織的な調整の難しさが大きな障壁となっていることが明らかになりました。(図表3)
VPNを導入する際に重視されるポイントは、「セキュリティの高さ(34.4%)」が最も多く、「管理のしやすさ(27.2%)」「設定・導入の簡単さ(25.2%)」が続きました。安全性とともに利便性や運用のしやすさも強く意識されており、「守る力」と「使いやすさ」の両立が求められていることがわかります。(図表4)
VPN導入後に理想とする状態VPN導入後に理想とする状態としては、「直感的な管理画面でユーザーや端末を簡単に制御できる(34.8%)」「導入・初期設定が容易で短期間で利用を開始できる(33.9%)」「セキュアに社内リソースへアクセスできる(29.3%)」といった回答が上位となりました。導入のしやすさと運用負荷の軽減が、現場における切実な要望であることが明らかになりました。(図表4)
VPN利用における端末やユーザー管理について課題を感じた経験があるかを尋ねたところ、「よくある(20.6%)」「ときどきある(59.5%)」を合わせて約8割にのぼりました。利用端末の多様化やリモート環境の拡大が、管理の難しさをより深刻にしていると考えられます。(図表5)
VPNに関して改善されると良い点VPNの改善点としては、「セキュリティリスクへの対応が強化されること(42.1%)」が最も多く、次いで「端末やユーザー制御が容易になること(35.7%)」「通信の安定性が向上すること(28.9%)」が続きました。現場では特にセキュリティと管理性に強い課題意識があることがうかがえます。(図表5)
最後に、「導入やユーザー管理が簡単で、従来のVPNと比較してセキュリティリスクを極小化できるサービスがあれば導入を検討したいか」と尋ねたところ、「ぜひ検討したい(30.3%)」「条件次第で検討したい(58.0%)」を合わせて約9割が前向きな姿勢を示しました。現行のVPNに対する課題感が強いからこそ、これからのVPNへの期待が高まっていることが明らかになりました。(図表6)
■総論:安全性と管理性を兼ね備えたこれからのVPNへの期待
今回の調査結果から、VPNは企業において欠かせない存在である一方、セキュリティ不安や管理負担といった課題を抱えていることが明らかになりました。導入時に重視される「セキュリティ」「管理性」「簡便さ」という要素を満たし、現場が安心して利用できる次世代VPNへのニーズが高まっています。
なお、本調査の詳細をまとめたレポートは、弊社製品サイトよりダウンロードいただけます。
調査レポートダウンロード:https://engage.cachatto.jp/wp11_cachatto
| 調査名 | 「VPN利用実態とセキュリティ対策」に関する調査 |
|---|---|
| 実施期間 | 2025年9月9日(火)~9月10日(水) |
| 調査方法 | PRIZMAによるインターネット調査 |
| 対象 | IT管理者・情報システム担当者・DX推進部門の担当者 |
| 回答数 | 1,011件 |
| 調査主体 | e-Janネットワークス株式会社 |
| モニター提供元 | PRIZMAリサーチ |
■インターネットに公開しない、クラウドVPNサービス「ニンジャコネクトVPN」
今回の調査を行ったe-Janネットワークス株式会社が提供する「ニンジャコネクトVPN」は、CACHATTO One独自の通信技術、CACHATTO Private Connect(カチャット プライベート コネクト)を利用したクラウドVPNサービスです。CACHATTOシリーズでのノウハウを活かした「高セキュリティ」「簡単導入」を特長としています。手のひらサイズのコネクター(CACHATTOコネクター)をe-Janネットワークスが提供。お客様のネットワークに設置するだけですぐに利用開始いただけます。
製品サイト:https://www.cachatto.jp/ncvpn/
■CACHATTOについて
「端末にデータを残さない」という特長により、テレワークにおけるセキュリティリスクを最小限に抑えられることが決め手となり、金融業界や自治体・官公庁など様々な業種で採用されている法人向けリモートアクセスサービスです。「スマートデバイス用リモートアクセスツール」市場および「セキュア・ゲートウェイ/ブラウザ」市場において12年連続トップシェアを占めています。[累計販売実績:国内1,700社80万ユーザー超(2025年2月現在)]
製品サイト:https://www.cachatto.jp/
■e-Janネットワークス株式会社について
e-Janネットワークス株式会社は、2000年3月に設立以来、「いつでも、どこでも、安全に」を標榜し、ハイブリッドワークプラットフォーム「CACHATTO One」および関連製品の企画・開発・販売・運営を中心として事業を展開しております。
- 代表者名:代表取締役 坂本 史郎
- 従業員数:111名 (2025年4月1日現在、パートタイム従業員含む)
- URL:https://www.e-jan.co.jp/